彼らは唱和する

師が唱和を先導する。万歳。増幅された師の声の残響に合わせて、祝福されたカップルたちはそろって唇を動かす。彼らの顔には、恍惚感と、崇拝するような痛みにも似た感覚がはっきりと浮かぶ。師こそ、あまたの災いを解きほぐし、再臨し給う主なのだ。その声は、愛と喜びを越えて彼らをさらに外へと誘う。布教という彼らの使命の麗しさをも越え、奇跡や滅却した自己をも越え、彼らをさらに外へと誘う。唱和する声には、その迫力ゆえに彼らに我を忘れさせる何かがあった。唱和しているという紛れもない事実と、それがもたらす一体感。彼らの声はますます大きくなっていく。彼らはその声に運ばれ、舞い上がり、また降下する。唱和の声の及ぶところがこの世の境界となる。そびえ立つスタジアムの斑なす影を背に、師が白く凍りついたように見える。師が両腕を挙げて万歳をすると、唱和する声はますます大きくなっていく。若者たちの腕が挙がる。師は、宗教と歴史を越えて彼らをさらに外へと誘う。今や何千人もが感激のあまり涙し、高々と腕を挙げる。彼らは、自分たちが切望した力によってぐいと掴まれたのだ。彼らにはすぐそれがわかった。彼らはみな、いっしょになってそれを感じていた。はるか太古より、生きとし生きるものの血に流れる切なる憧れ。これこそが、良識というものが朽ち果ててからずっと、人々が求め続けてきたものなのだ。唱和するこの声が、終末の時をさらに近づけ、この声こそが終末の時を告げる。彼らは、人間の声が持っている力を感じていた。一つの言葉が繰り返され、それがいっそう深く彼らを揺り動かし、一つにまとめ上げるその力を彼らは感じていた。彼らは唱和する。世界が崩壊するほどの恍惚感を求めて。あまたの予言と奇跡が紛いものではなかったことを求めて。彼らは唱和する。新たなる命と、永遠の安らぎと、孤独な魂の痛みが止むことを願って。野外ステージの人の群れが大きなドラムを打ち鳴らす。彼らは唱和する。一つの言語と、一つの言葉を求め、名前というものが失われるときが来ることを願って。

 

『マオⅡ』