子供同然

一陣の風が巻き起こり、ベイルをひらひらと舞い上げる。カップルたちは驚いて歓声を上げ、急に浮足立って滑るようにふわふわとした動きに身をまかせる。彼らは、自分たちがほとんど子供同然で、歓喜にいともたやすく染まってしまうことを思い知る。何はともあれ、彼らはある過去を分かちもっていた。カレンは、ワゴン車や窮屈な部屋で眠ったあんな夜をことごとく思い起こす。五時に起床して祈りを捧げ、それから自分の属する花売りチームの仲間と一緒に街へ繰り出したあの頃。ジュンという名の女の子がいた。自分がどんどん小さくなって、ほんの子供の大きさに戻っていくように感じている子だった。みんなにその子はジャネットと呼ばれていた。彼女の手では、アメリカのモーテルの化粧室に置いてある小型石鹸さえも掴めないのだ。だが、チームの他の者にとっても、それは別に理不尽なことのようには思えなかった。彼女は、実際にそこにあるものを見ていたにすぎなかった。塗装膜や、グルタミン酸塩といった物象の向こうに、捉えどころのない永遠の相を見ていたのだ。

 

『マオⅡ』