測り難いもの

ラムジーは北正面玄関から遠くない小部屋に陣取っていた。ホッケーのスティックが隅に立てかけてあった。彼とキースは寄せ集めのチームでプレーしていた―チェルシー埠頭で、午前二時に。暖かい時期の昼休みには、彼らは周辺の道やプラザを散策し、小さく波打つタワーの影の下で、道行く女たちを観察した。女たちについて語り、エピソードを語り、くつろいでいた。

キースは別居し、便利さを考えて、オフィスの近くに暮らしていた。便利さを考えて食事をし、レンタルビデオを借りるときは、映画の長さを必ずチェックした。ラムジーは独身で、結婚している女と関係を持っていた。マレーシアから来たばかりの女性で、カナル・ストリートでTシャツと絵葉書を売っていた。

ラムジーには抑えられない衝動があった。彼はそれを友人に認めていた。何でも認め、何ひとつ隠さない男。彼は道に駐車してある車の台数を数え、一ブロック先のビルの窓の数を数えた。ここからそこまで歩くときの歩数を数えた。意識を横切った物事を記憶した―流れてくる情報を、ほとんど無意識に。数十人の友人や知人の個人情報を暗唱できた―住所、電話番号、誕生日。不特定のクライアントのファイルが彼のデスクを通過した数か月後に、その人の母親の旧姓を言えた。

それは素敵な能力とは言い難かった。この男にはあからさまに哀れっぽいところがあった。ホッケーのリンクで、ポーカーで、彼らはお互いにわかり合えた―彼とキースは―チームメートとしても敵としても、互いに相手の意図を直感的に悟った。彼は多くの点で平凡な男だった、ラムジーは。肩幅が広く、ずんぐりしていて、気質は穏やかだったが、ときにその平凡さを最も深いところまで突き詰めた。彼は四十一歳で、背広にネクタイを締めて遊歩道を歩いた。打ちつけるような熱波の中、爪先の見えるサンダルをはいた女を探していた。

そうなのだ。彼は女性の足の先端部分を成す指の数を数えずにいられなかった。それを認めていたし、キースは笑わなかった。人間が誰しも日常的にする営みとして、測り難いものとして見ようとしていた。人間は―我々誰もが―他人に見せている生活以前の時間に、何らかの形でそういうことをしているのだ。彼は笑わなかったが、後から笑った。しかし彼にはわかっていた。そうした異常な執着が性的な目的に向かっているのではないということが。数えることが問題なのだ、結果は最初から分かっていても。片方の足の指。もう片方の足の指。合計は必ず十になる。

キースは長身で、ラムジーよりも五、六インチ背が高かった。彼は友人の頭が薄くなりつつあるのに気づいていた。男性特有の禿げが、見たところ週ごとに進んでいる。昼の散歩や、ラムジーが小部屋でだらりと座っているようなとき、あるいはサンドイッチを両手で掴み、食べようとして頭を下げたようなときに。彼はどこへでも水のボトルを持ち歩いていた。運転しているときでも、ナンバープレートの数字を暗記していた。

キースが付き合っていた女性には糞ガキが二人いた。糞遠いファーロッカウェイに住んでいた。

ベンチや階段にいる女たち。読書をしたり、クロスワードパズルをしたり、顔をのけぞらせて陽に当たったり、ヨーグルトを青いスプーンですくったり。そのうちの何人かはサンダルをはいて、爪先を見せている。

ラムジーは目を伏せて、氷上のパックを追い、ボードに体をぶつける。逸脱を求める欲求が、数時間の強烈な幸福によって放たれる。

キースは進まずに走り続けている、スポーツジムのトレッドミルの上で。頭の中で声がする―たいてい自分の声―ヘッドフォンをして、本の朗読テープを聴いているときでも。本は科学書か歴史書だ。

数えれば十になった。だからといって挫けたり、やめたりすることはなかった。十という数字はそれ自体が美しい。おそらく十になるからこそやるんだ。同じ結果を得るために、とラムジーは言った。持続するもの、一箇所にとどまるものを求めて。

彼の恋人は、夫を含む三人の親戚と経営しているビジネスに投資してくれとラムジーに頼んでいた。彼らは在庫を増やしたいのだ。ランニングシューズと家電製品を増やしたいのだ。

爪先は、それがサンダルで区切られていなければ、意味がない。ビーチにいる裸足の女たちは、足に注意を引くようなことはしていないのだ。

彼はクレジットカードのボーナスマイルをため、いろいろな都市に飛行機で飛んでいた。行く都市は、厳密にニューヨークからの距離だけで選んでいた―マイレージを使うというだけの目的で。そうすることで、精神的な信用度(クレジット)を満たしているような気になっていた。

爪先の見えるサンダルをはいた男もそこここで見かけた―街や公園で。しかし、ラムジーは彼らの足指を数えることはしなかった。したがって、どうやら重要なのは数えることだけではないようだった。女性であることにも要因を見なければいけなかったのだ。彼はこれを認めていた。彼は何でも認めた。

この男がこうした欲求をしつこくもち続けているところには、ある種の歪んだ魅力があった。それはキースの目を、もっとぼんやりしたものへと―奇妙な角度で―向けさせることになった。人間の中に潜んでいる、修復不能でありながら、温かい感情を彼の中に掻き立てることのできる何か。稀にしか見られない、親密な色合いをもつもの。

ラムジーの禿げは、それが進んでいくにつれ、物静かなメランコリーを帯びるようになった。挫折した少年のような、憂いに沈む後悔の念。

彼らは一度だけ喧嘩したことがあった。氷上で、チームメートでありながら、乱闘騒ぎのときに間違って殴り合ったのだ。キースはこれを可笑しなことだと思ったが、ラムジーは怒り、金切り声で非難した。キースが最後に放った二、三発のパンチは、殴っている相手がラムジーだとわかったあとでわざとやったものだと言い張った。そんなことはない、とキースは言ったが、実のところはそうかもしれないと思っていた。というのも、一度ああいうことが始まってしまったら、それを止める手段なんてないではないか?

彼らはそのときタワーに向かって歩いていた。人々の群れが大きくうねり、交差し合う中を歩いていた。

いいだろう。でも、もし足の指の合計が十にならなかったらどうする?たとえば地下鉄に乗っていて、目を伏せて座っている―とキースは言った―きみはぼんやりと通路を見ている。そしてサンダルを見つけ、足の指を数えてみる。もう一度数える。それでもやっぱり九しかない、あるいは十一ある。

ラムジーはその質問について考え込んだまま空中の小部屋に戻り、あまり魅力的でない仕事を再開した。金と資産、契約と所有権。

次の日、彼は言った。その人にプロポーズするよ。

さらにあとで、こう言った。だって、癒されたってことに気づくと思うんだ。ルルドの泉みたいなもんさ。これで数えることをやめられるんだ。

 

『墜ちてゆく男』