秘密の世界

私は言葉が巧みなの 私の仕事では“行為”と同じくらいに言葉も大切な手段よ いつ何を言いどの言葉で誘うか ある種の言葉や特定の行為を嫌う男性もいる でも結局は寂しがり屋 学ぶのも仕事のうち 手の使い方や唇や舌それから足の絡め方とか考え方までも どのように刺激しいつまで続けるか 初キスの相手や男性誌にあるセクシーな女性にもなれる 私はあなたの秘書? それとも娘なの? あなたが嫌った女教師? あなたを満足させれば私はあなたの中で夢のようになって生き続ける そうなれば私は消えたって構わないわ

 

女性は対象外よ 男性になら会うけど1人でいる女性とは…

夫が好むタイプね

選んであげるの?

いいえ

弱気なご主人? 何なの?

名前は?

クロエ

夫が浮気してる してると思う ぜひ知りたいの 夫がどんな行動をとるか 誘惑されたら

客は大抵既婚者

“客”とは違う

どんな容姿?

背が高くてガッチリしてる 栗色の髪の毛をしてるわ ハンサムよ ランチはカフェ・ディプロマティコで いつも新聞を読んでる

“仕事は何”って聞かれたら何て言えば?

“学生で通訳になる”って 何か外国語を話せる?

日本語を少し

 

会ったわ 新聞を読んでたから“お砂糖を貸して”と言った 新聞を読むフリをしてたわ そして席を立ち私の方へ来て学生かどうか聞いた だから日本語を勉強してるって答えた 何か日本語を知ってるかと言われて焦ったわ “こんにちは”とだけ言った 名を聞かれ“クロエ”って

そう そうなの

何もなかった

あなたに近づいて話しかけた以外はね

ナンパっ気もなく優しかった いい人

客と寝る時は?

愛すべき何かを探す 小さなことでも 笑顔を生む何かをね そういうものって必ずあるはず イヤな客もいるから心を広くするの 世間や人を非難することはしない すると変なことが

どんな?

あなた

私?

あなたみたいな人が私の日常に入ってくる

お金は封筒の中 もう一度主人を誘惑してみて それでおしまい

 

私が精神的に不安定だっただけなのかも とにかく今回のことは何もかも忘れて

それはムリ

なぜ?

また会ったわ

夫と? どこで?

ご主人に話しかけて一緒にランチを食べた

ランチを彼と?

ピクニックみたいなランチ サンドイッチを買って講義のことを聞いた 音楽な話を始めたわ そして私のことを見つめたの

それで?

“キスしていいか”と

そんなのダメ

でも“妻がいるからよす”って 最初迷ってた

“最初”?

それから彼“人目につかずにキスできる所はないか”って それで“アレン・ガーデンに行きましょ ガラス張りの大きな温室があるわ”って 話すのをよす?

続けて

珍しい花が咲いてる長い通路を2人で歩いた だれもいなかった だからあそこが好きなの いつも暖かくて空気はとてもきれいよ 急に外国へ来たみたい 私は知ってた 物置に使ってる所があってだれも来ないって 秘密の隠れ場所よ 彼は唇を重ねてきたわ 長い間キスしてた 股間も興奮気味

もういい 夫と会い彼が何をしたか報告するのが役目よ

今報告したのに

こんなこと頼んで失敗した

ごめんね 彼と私は茂った温室の植物にすっかり囲まれて身を隠していたの 人の声は聞こえたけど見られっこなかった ズボンに手を入れ彼自身に触れたわ 触れたまま手をそっと動かした

そう

それを続けた ズボンの中で触っていると“イクわけにいかない 仕事が”って でも続けたわ 舌を噛んだ そしたら彼手の中でイッたわ

それから?

彼は仕事に行った

 

話して

また温室で会って今回はこの部屋にチェック・インした 彼はテレビをつけ見るフリをしてたわ 私は隣に座った すると私の方を向いてキスをしてから“やろう”って

何てこと…

勃起しなかったわ 何度か頑張ったの きまり悪そうにしてたから慰めたわ 少し時間を置けば大丈夫だって分かってた 彼は服を着たままで私は裸よ 興奮してきた? 服を脱ぎたがらなかった 長イスに座ってたわ “フェラをしろ”って 彼自身を口に入れたら硬くなった

口の中でイッた?

いいえ

あれにコンドームをつけてまたがったの そして彼自身が私の中に入ったらすぐ果てちゃった 私は胸を彼の顔に

いつも一緒だったわ 彼と離れられなかった たとえ1時間でも お互いを待ったわ 会って触れ合うまでの待つ時間を楽しんだの 彼の手が好きだった 私のあちこちに触れたわ 以前はそうだった 私もまだ若かったわ 人を愛したことは?

あるわ 彼を愛してる?

分からない

もう一つ “不倫は初めてだ”って

出任せだわ もうダメ いっそ首を吊った方がいいかも 最悪だわ

 

彼はどうやった?

何の話?

触ったの? ひどいわ

 

クロエよ

今どこ?

待合室 気づかなかった? お花よ

何の用?

許してね

私こそ許して

なんで?

ステキよ とても美しい でもここまでにしたいわ

良かったわ ゆうべ

それは私も同じよ

お別れはイヤ あなたも望んでないはずよ

お金が欲しい?

お金じゃない

今まで何度も受け取ってたのに? これでいいわ おしまいにして

ビジネスでなく私たちの真実の関係よ ゆうべは触れ合って…

もうよして あなたとのビジネスはもうおしまいなの お願いだから出ていって 早く

 

“今ご主人が帰った”

“主人に電話しないで”と

電話をしてきたのは彼よ 彼には絶対に電話をしないわ 彼からの電話はセックスのことじゃなかった 感情のことよ こう言ってたわ あなたの体に触ると私のことを裏切ってるように感じるって これってバカげた話だよね 聞いてる? キャサリン

1時間後にカフェ・ディプロマティコで

 

何だ

注文は?

試験中だ

すぐに済む

コーヒー

私はお酒

コニャックを頼む 何だ

お互いにハッキリさせたいの 双方が真実を隠さずに話すのよ 何か話すことは?

私が?

正直に話すのよ

乗り遅れた件?

いいわ

ウソだ 誕生日がイヤでわざと乗らなかった 飲みたくなって3杯飲んだ

ミランダと そうよね そのあとは? 何か月もかけてパーティーを準備したわ ケーキや食事や花に何千ドルも使った 私が頑張ってる時に若い女と寝てたのね?

寝てないさ

大ウソつき

どうした 何だ? あの娘さんは?

いいの だれでもない もういい

それだけ?

そうよ

待ってくれ “すべてを話す”って話したのは私だけだ

今想像もしなかったことが起きたの もういい

君が浮気していてもハッピーでいろと?

浮気と違う

なあ いいか 何度誘惑されても不倫はしなかった

願望はあった

私も人間だ 君だって同じだろ

願望なんかないわ

ウソを言ってる 君はウソつきだ 試験中なのに 隠さず話せと言って君は何も話さなかった

待って デビッド 話すわ 彼女の名前はクロエ さっきの子に誘惑させたの あなたの行動を試すために

潔白だ

分かったけど彼女はあなたと寝たって お金を受け取ってウソを言った あなたとの密会のことを生々しく

例えば?

あなたとの関係はピクニックで始まったと アレン・ガーデンでね キスしたら興奮してたと言った どうしようもないほど頭が混乱したけど改めてあなたがよく見えてきた 年とともに魅力的に 白髪も中年男性の魅力よ 身に起きるすべてのことで磨かれるあなた 私なんか消えてなくなりそうだわ ただ年を重ねていくだけ 彼女と寝た 最初はあなたと日に3回 そして1回に 週に1度になって出産したわ 親になり良き友になったわね そして夜の生活もなくなった

君からやめた

自分を見たくなかった 昔と違う自分 鏡で自分の姿を見て思った “誘惑なんてできない”と

君といたいが試験中だから

家で帰りを待つわ ごめんなさい 疑ったりして 早く帰って

 

家を案内して 親の寝室は?

寝室は上にある 何してるの?

マイケル

マズい ママだ 急いで

出ていって

来るんだ!

お金さえ渡せば姿を消すとでも思ったの? 現金を握らせとけばもう現れないとでも?

こんな話を聞かないで 出ていって お願い! 息子をほっといて

ママ!

ご主人も私もあなたの“物”と違う 必要な時はお金で言いなりにして不要になれば捨てるなんて身勝手よ

私も悪かったわ でも息子には近づかないで

彼の中にあなたを感じたわ あのまなざしよ 優しい息子さん お付きあいするには最高のお相手だわ

主人が帰るわ

デビッドと仲直りしたの? よかったわね

家まで送るからそこで話し合いましょ

この感触よ

道を誤らせた私が悪い

ウソよ

何が?

“悪い”なんて 2人で秘密の世界を作ったのよ あなたは私に恋をさせたわ

それは誤解よ 夫を愛してる

仲直りは私のお陰でしょ なぜ冷たくするの? あなたにとって私は邪魔者?

大変 血が出てる 家まで送らせて お願い もうよして とても美しいわ 分かるでしょ 本当にきれい 望みは何なの?

キスをして

 

『クロエ』