何はともあれ償う

“この手紙はルノー18について情報提供するためのもの 軽率な憲兵が爆発させた車 ナンバー7503RC60だ 13日深夜同車からソニア・ファヴローに発砲 15日に原付バイクのアリス・ジョンケを襲った アリスは顔見知りだが犯人とは気付くまい 次は脚ではなく心臓を狙う 追跡班を組織し線路を監視し雨の夜の巡回を強化しろ 私は単独犯だ 私は軽率さを嫌う 夜道を平気でうろつく19歳の娘は格好の標的だ 私は人殺し ゆえに殺し続ける”

 

なぜこんなことを?

償いだ

何の?

何はともあれ償う

 

食べない?

何の話だ

割るだけで食べないのか?

ああ そういうことだ カネは払う

 

やめて 何をするの?

撃つのさ

待って

黙るんだ 頼むから騒がないでくれ 見るな

 

“理解は求めない 私の行為は熟考の末の特別な心の状態の産物だ 私は正常で自分の行動を完全に把握している 無気力な人々にはおぞましい行為だろう 偽善と利己主義 無関心と残酷さこそ人間の特徴なのだ 人間への憎悪が繊細でおとなしい人間を冷酷な怪物に変えた 血と復讐の鬼に… 私が殺されるまで無差別に殺し続ける 私は自由だ 誰にも到達できないほどに 私は戦士だ 警官や憲兵とは違う また娘を殺す 心臓を狙って 死体を取っておけたら切り刻んで街にばらまく 地獄は近い”

 

お前か? ナンバープレートの指紋も事件の度に休みなのもお前だ

俺に何の動機が?

ここに署名を お前の辞表だ

あり得ない

 

待て 腕を 私を撃とうと?

頭に2発な

 

裁判所はフランク・ヌアールに責任能力はないと判断 その後彼は精神医療施設に収容された

 

『次は心臓を狙う』