機能不全

伝えたいことがあって来たの

お父さんが亡くなったろ 弔いの鐘がうるさいほど鳴ってた 天使も驚くほど

姉と家を片付けるの 2,3日いるわ

遺産の分配か 本も家具も古くて価値がないぜ

祖父のピアノがあるわ お葬式で探したのよ

悲しいふりをしろと? 俺は偽善者じゃないぞ

嫌な言い方 でも喧嘩しに来たんじゃないわ 赤の他人だし

赤の他人? よく言うよ 確かに寝たことはない それに会いたくもなかった

そう? 恋人に裏切られた男みたい 君を忘れたかった

今はどう? 癒された?

ああ 癒されたよ 手に負えない女だ 絶えず怒ってて誰にでも喧嘩を吹っかける 誰だろうと容赦しない 君は危険人物だ 特に俺のように穏やかな人間には 君自身にも

面白い? 私が危険人物ならなぜ私に近づいたの?

思い出してみろ あの夜君がパニック状態で俺に助けを求めに来た 薬を飲ませて客間に寝かせると夜中に俺の寝室に来て眠れないと言った 俺は黙っていた 身じろぎもせず 眠かったしその気もなかった 迷っていると君は行ってしまった 君を追いかけるべきか? 慰めるべきか? 僕はいくじがない 自分に腹が立ったよ 君じゃなく

いつまでも怒ってられないわね

ピアノのことだな

ええ ピアノが欲しいわ

何を弾くんだ?

あれで? しばらく弾いてない

お父さんが?

最初はね すぐやめたけど

聞きたかったな 鼓膜が破れるか腹の皮がよじれるか 君は何を弾く?

まずショパン ドビュッシーも 今の気分はシューマンね

怒りを静めるにはバッハだ

この家の家主は?

好きなときに来る

壁の修理中?

ああ

管理人! 居候ね

 

遺品はいらない?

ええ

写真は?

死顔を撮ったわ

他には何も?

死顔の写真がある

安らかな死顔があれば十分?

いいでしょ まあね おじいちゃんが好きだった だからピアノも好き

兄さんが欲しいって

兄さんが?

子供に弾かせるんでしょ

私にも子供くらい出来るわ!

怒らないで

置き場所はあるわ

変な子ね 昔はピアノが嫌いだったのに 鍵盤にほっぺたを付けてパパを手こずらせた ピアノから早く離れたがって 5分と座ってなかった

“優秀”で“最高”を求められたからよ ソルフェージュとか おじいちゃんは違った 教え方が好きだったわ 忘れた? いいわ “上手く弾け”なんて言わなかったもの 姉さんと兄さんて私にはいつも反対する すばらしい団結ね その固い連帯感 でも何も考えてない ときどき思ってた 私を見る姉さんたちの視線 私の存在を否定してるって

バカなこと言って

姉さんの言う通りね この所有者は誰? 私たちの父親よ 父親と呼べるなら

何をバカな

だったら父親って何? 私には分からない 父親もなく遺産もなし! 言いたいことは? 私は遺産なんかいらない 私は彼を“パパ”と呼んだ? それとも名前で? “あんた”よ “あんた迎えに来て” “あんた日曜は暇?” “あんた姉さんの誕生会は?” “あんた”と呼んで腹いせにしたの このボールを相続するわ いい? これも兄さんの子供に? サッカー選手にする?

 

私に会いたくないの? 理由を説明して あなたと寝なかった罰? ひどいわ 私が赤の他人だから無視するの? こんな曖昧な関係が長続きするか?

何もなかった? 私はあるわ 微笑み 優しさ 複雑さ それもなかった 何もなし 電話も1本もなく メールも何もなく 沈黙 もう会いたくない? 私は一晩遊んだだけのおもちゃってわけね

“一晩遊んだ”?

何もなかったふりね 私には魅力がない? あなたは最高に魅力的な男よ

優しさ 複雑さ 魅力的? 自分勝手な思い込みだ

ええ 悲しい終わりは嫌 私を無視しないで あなたらしくないわ

今朝の話に戻ろう 夜中に君が俺の寝室に来た 中に入ってきて“眠れない”と言った そう 俺のベッドまで来た 俺のTシャツとパジャマで

同じ話?

いや そうじゃない 君を見て俺は勃起した だが近寄れなかった おかしければ笑ってもいい 君に近寄れなかったんだから 優しさだとか何とか言うが最後の瞬間に君は萎えた それは俺も同じさ だから何もなかった

そう? “寝ないと何もない”ってわけ? 思った以上にバカね

やり直せなくて残念だ 君があの夜と同じ気分になれたら あの夜と同じ気分になれるか?

あなただって勃起してない

理由を知ってるだろ 俺の“機能不全”の 君ならどうする?

“機能不全”? さあ あなたを拒絶しない 私の性格を知ると男は萎えてしまうし 今とは状況が違うわ

確かに困った状況だ

私からはあなたに近づけない 卑怯者

質問に答えろ 俺と同じ立場ならどうする?

拒絶しない

“私は美人だから男は拒絶しない”とでも? 父親と喧嘩する勇気がなく代わりに俺と喧嘩してる あの夜寝てても手遅れさ

私に何を言わせたいの あなたに惚れてたって? そうよ 知ってたくせに でもあの夜の気分になるのは無理 結局は私と寝たいってことなんでしょ あなたって嫌な奴ね あの夜の気分になるわ でも寝ないわよ Tシャツは寝室? パジャマは洗濯済み? 用意はいい? 試してみましょうよ パジャマはどこ?

何のゲームだ? 降りて来い 興奮するなよ 怖くなってきた あの夜と同じ気分か?

女優だもの

忘れてたよ 台詞をトチるのが専門だったな 過去の出来事または気分の再現を再生再確認再構成… ぶっつけ本番だぞ 役の準備もなし 役か! 台詞はアドリブで

眠れないの 気分が悪くて

少しは愛情表現を

愛情って?

なら優しさを 降参か?

愛情は無理 私は演技してるだけよ 愛情ってあなたが言うとワイセツ 固くなった?

いやまだだ そんなに欲しいか? いいザマだ 優しく やめろ 怒らない君は可愛いのに

満足顔のあなたは醜いわ 気分はどう?

落ち着け 落ち着け… 何しに来たんだ…

黙れ!

俺に何を期待してた? 昼休みのお遊びか 殴り合いか

これが殴り合い?

そうさ または試合だ 1対1の闘い その授業だ

これが授業? 1回いくら?

無料だ 人のためになれば すでに1回目は終わっている 言うならば“愛の授業”が

“愛の闘い”よ 本物の“授業”なら授業料を払わなきゃ

無料だが払いたいなら払え ピアノは貰えたか? 家族と闘うにはもっと力がいるぞ 俺には怒りを抑えてるらしいが家族には全力を出せ 俺を相手に闘うのは力の無駄遣いだ 君ならピアノくらい簡単に手に入れられるさ

何回か授業を受ければ?

俺に勝てれば家族にだって勝てる どうだ?

バカみたい

 

どうだった?

最初から私を“対戦者”として見てたのよ “強い対戦者”として

“強い対戦者”って変な言い方

私の方も 最初に彼を見たときすぐに感じたの その瞬間に 彼こそ“相手にとって不足ない対戦者”だって 予感がしたわ

でもどうするの ブルーノやクリストフや…

今の思いを言っただけ

“強い対戦者”と寝た?

いいえ

喧嘩の後も?

いいえ

何よ 病気なの? ねえ!

彼にはもっと力をつけて闘えと言われたわ 闘いに勝つには

闘いって?

私の家族との

なるほど 偉そうに講釈をたれたわけね 本当に何もなかった?

言ったでしょ

その“強い対戦者”って危険すぎるわ 燃えさせて寝ないなんて 食われちゃうぞ

大丈夫 そっちこそ何よ 彼が魅力的だと分かったくせに

何よ あんただっていつも喧嘩を仕掛けて 今度の男は危険よ

最後まで闘うわ

愛の虜にされるわよ 気をつけて この曲よく聞いて 思い出した?

“こっちへ来い! ヒールが痛い? 殴ってあげるわ どう 感じた? さあ お舐め! お舐め 命令よ! 気をつけて!”

分かったわね

 

姉さんの車がないんで入ってきた

ネズミみたいに音楽に誘い出された? いつから?

つい惹かれて

罠にはまった? よく弾いてた頃はどこまで上手くなれるか可能性を知りたくてワクワクしたけど今は何の発見もない 下手でイラつくだけ

音楽は精神的なものだ

そこまで上手くないわ

演奏は指でなく頭でする 指は頭に従う

私は違う それで?

問題は君の頭だ ミケランジェリのドビュッシーとの会話を聞け

私はピアノで会話なんてしないわ

もっとピアノを弾け 君のためにも 俺の気に障るのは…

気にせず言ってよ

ピアノが貰えるか不安だから上手く弾けない ピアノは君を“勇気のない奴だ”と思う だから気が合わないんだ

もう私の友達じゃない?

むしろ別れの挨拶だな かなり不協和音の

私はまだ闘いに負けてないわ

それはよかった

私の父親そっくり 名人を求めてる

関係ないさ 昼食に来ないか?

公証人に会うの 今日の午後は?

好きな時間に

 

いないの?

いるよ 2階だ

書きもの?

俺は読み手だ

でも書いてる

誰にも読ませない

あなたをバカだと思ってた

同感だ

なぜバカなの?

俺は底なしのバカだよ

寝ることとバカかどうかは何の関係もないわ もっと下らない男と寝たし あなたとは寝てない そこが分からなければ本物のバカ あなたと寝なかったから私が嫌いなのかそれとも“俺と寝ない女に興味が湧いてきたぞ”?

月並みだが悪くない それで?

それであなたは小さな“自己愛”に浸る “自己”と“愛”の間にハイフンは?

当然だ

正しい綴りを知ってるのね 私と寝れば問題解決する?

俺に問題が?

自己愛に酔ってるのね

まあいい 俺の問題はもっと大きい

もう1つ この前私を勝たせようとしたのに最後の瞬間に悪魔の本性を

悪かったな 君を父親と闘わせようとしたんだ 俺の勝てると思ったなら悪かった 俺が本気を出せば君に勝ち目はない

待って 私は本当に勝つ気よ

無理だ 君こそバカだ 父親と闘ったとしても地味なドッグファイトだ 相手は幽霊だから 俺と闘うならそんな子供みたいな体では相手にならない

そう?

対等に闘えない 闘士として力をつけろ 俺が訓練する すぐに結果が出る

待って あなたは敵? それともコーチ?

答えを知りたいか?

ええ 知りたいわ

君が真の敵と闘うときは俺は闘士であり試合そのものでもある

カンフー映画の老師みたい

俺に怒りを感じるようだがそれでは闘士と言えない 俺を悪い狼だと思ってる 俺が敵なら家族と闘うな

いい加減にして

選べ

家族には勝てない ピアノを貰うことすら出来ないんだもの

ピアノは忘れろ 財産なんてどうでもいい

いや!

ピアノを燃やし家を出ろ!

今日が相続なの どうすればいい? コーチ! ピアノが欲しいの

父親から何か貰ったことがあったか?

うるさい!

わかったよ 放せ 行けよ 俺に構うな 家族と闘いに行け ピアノを救え

私の大切なピアノよ もしダメだったら私自身がクソだってことよ

君は敵を取り違えてる 試合にならない 痛い! 出てけ 出てけ

放して!

真の敵に怒りを向ければ君は無敵になる だが今は無力だ

これでご満足?

失礼

あなたはいい 私と寝れば問題は解決する 私の問題はあのバカな家族 もっと複雑よ 喧嘩はやめて寝ましょう 片方の問題は解決する どう? あなたに会えてよかった 本当よ あなたは私を受け入れてくれた でも今の私たちっていったい何?

 

喧嘩せずに貰ったわ

進歩したな

誰が貰うかを話し合ってるすきに私が取っちゃった 話し合いなんて無駄よ さっさと帰ってきたわ 気がとがめるけど次もそうする

皆が君を尊敬するさ 父親に撮って貰ったことないだろ

ひどい! 私の勇敢な行為をけなすのね 正直言って父は滅多に私を撮らなかった まずは兄で次が姉 私はグループ写真 兄姉と一緒 父は私に関心がなかった

こんなカメラ何の価値もない

どうでもいい

誰の写真を撮るんだ?

あなたよ

俺を撮って誰に見せる?

友達よ あなたのこと素敵だと言ったのに信じないから写真を見せて納得させるの

友達の意見が大事か 撮った写真を大切にしろ 俺たちが死んだ後未来の恋人が写真を見つけ価値を認めてくれる ちゃんとアルバムに貼って保存しとけよ 分かるか? きっといい写真が撮れたろう このカメラは君の父親の目だ 君の心を荒ませた醜い目だ 父親は死んだのに彼の目は受け継ぐのか? 同じ目で見たいのか? 俺を撮るな

ならアルバムは?

忘れてた そうだな… 未来の恋人はアルバムを開いて俺の写真を見る

まず写真を撮らなきゃ 変ね シャッターが押せない

いい加減にしろ 写真を撮るための策略か 未来の恋人は君の美術館で俺の写真という宝を発見する 撮るな

試しただけよ

すばらしい男女関係だ 特に男の情熱を嗅ぎ取った女にとっては 女は写真を撮り俺を魅力的だと言う 友達の意見など関係ない 決まってる

1ページ目は父の写真

何でも父親からだな 次は何だ?

私が撮った あなたの写真 新聞に載るほど美しいの 皆が私たちに興味を持ち世界中の戯曲家が芝居を作るの

頭のいい奴が真実を知る “待て 喜ぶのはまだ早い 死を超えた愛などない” 俺たちの会話を転送するとまるで平凡だ 何てつまらない関係だと

その顔を撮らなきゃ

君の父親は正しい 写真は時間を永遠に保存する エッフェル塔の前で微笑む恋人たち 海辺でポーズをとる女たち 男たちはビールで乾杯だ すばらしいよ 保存しろ アルバムを作れ 世界中の美を! そんな恐怖の美術館は必要か?

ええ 続きを撮るわ

続き?

私たちの関係の いえ “闘い”だったわね 私たちの愛の闘い 私のアルバムは闘いの記録 表紙にそう書いとく 私たちが興味深い実例なの 私は家族の中であがいてきた でも平気 あなたは“寝られなかった”虚栄心の中であがく それがアルバムの副題

なるほど

それがアルバムの1ページ目で物語の始まり 2ページ目から面白くなる

楽しみだ 痛いぞ!

1ページ目の君の写真の前 物語の前は父親の写真か?

死顔のね

世界中の美の最初がそれか

実は撮れてなかった 今朝現像してみたの 真っ黒だった

運がよければ壊れたカメラに勝てるぞ

そうね

写真は撮れてたがカメラが耐えられなかったのかも このカメラが君のものになったのも当然だ “死者に死んだカメラを貰う” 君の父親は冗談が分かる

ダメ 全然動かない あなたの予想は外れたわ 写真は残せない あなたは忘れ去られ誰も思い出さない 世界中の美もあなたと無関係 壊れたらお払い箱 写真はただの自己愛 ファインダーの掃除は無駄 目を掃除しなくちゃ 目は取り外せないけど 確かに私は父に興味がなかった

おそらく君自身にも

なぜ私は普通の子のように父親に愛されなかったの? どこが変なの? カメラを気にしすぎてない? 修理しても無駄よ 写真は美術館に飾れない あなたに価値がないから あなたは誰にも関心がない おしゃべりは飽きた? 闘う?

ああ 来い! 俺は腕1本で闘う

本当?

優しいだろ 来い

大丈夫? 大丈夫?

 

ひどい状態です 調律が必要ですな 内部はきれいです 家にシロアリは?

なぜです?

フェルトの部分がやられるんです

値段をつけるとしたら?

1000ユーロが適正価格でしょう

ありがとう

売る気になったらご連絡を

さよなら

シロアリを持ち出すなんて嫌な感じね 私たちを騙す気では? 価値のあるピアノかも 内部はきれいと言ってたし 売るのは考えた方がいいかも

私はピアノが欲しいの 弾くのは私だけよ 弾くのは私だけ

今度はピアノを壊す気? ピアノは重いわよ 兄さんに相談するわ 言い値が1000なら倍で売れるはず

 

また俺に助けを求めに来たのか

この間のことは謝るわ よくなった?

遺産相続から外されたんだろ

父の話はしないで

“ケチで汚い娘 金にも汚いが心も汚い” お父さんがそう言ってた “椅子ほどの価値もない”

誰に聞いたの? 

俺の想像だよ それに椅子は役に立つ 逃げるな 今日は勝てるぞ

そう思う?

ああ 君が狙いをつける相手は父親姉それに俺 俺も家族の一員だな 俺の感じでは君は癒しを求めてないし怒り続けてる ひどく孤独で冷たい 冷たい自信家だ 相討ちに持ち込んだか 君の血統はすばらしい

父は約束したのよ 私にピアノをくれるって でも姉と兄にも同じ約束を 私に内緒で 公証人のところに行ったら遺書には何もなかった 何も

最期まで父親らしさを求めたんだな 目を覚ませよ いい父親なら他で探せ 分かってたはずだ

 

彼に太股や体中にキスされながらすごく孤独だったわ

闘いの後遺症?

勝ったのは私よ 父の代わりをさせたもの

お父さんと仲悪かったっけ?

まあね 少しは 彼の想像よ 太股にキスするのが父かと思うと気持ち悪い

父親じゃないわ

ただの演技よ なぜこんなに悲しいの? 自分で自分に負けピアノも取られた

なぜ父親の代わりをさせなぜ闘うの? 深入りしすぎてない? 闘って何か進展する?

進展してるわ 父は埋葬したけど彼を知ってたしまだそばにいる

その“愛の闘い”って気色悪いわ 意見を?

やめて 少しなら

あんたは彼が好きになった自分に怒ってるのよ!

 

話を聞いて

いいよ

昨夜は大好きだったけど今朝は全然 今朝夢を見たの その話を聞いて 霧の中にあなたの視線を感じて近づいたら狼だった すごく怖くて身動き一つ出来ないの 狼は私の周りを歩き臭いを嗅いだ 少しためらいあそこの臭いを嗅いだ 私は必死で逃げた 狼が見えなくなったので立ち止まって息を整えた すると背後に感じた 狼の熱い息を 臭いであなたと分かった 危険はないと思ったけど狼つまりあなたは背中にのしかかり私の背後で固くなり後ろから貫いた 狼とはあなたの目と巨大なペニス 私は夢の中で“絶対に忘れない”と思ってた 最初の一突きで目が覚めたわ おかげで最高にエロチックな夢だった 夢で濡れたなんて久しぶり その笑顔の意味は何? 今日は寝ないと決めたわ 楽しんで

その夢は君の感受性が進歩した証拠だ 進歩の度合いはともかく性的には すばらしい

自分で解決できたわ 闘いもなく

今日はほぐれてる 昨日の勝利の効果かも 過小評価するな

“今日はほぐれてる” どこか不満みたい 嬉しくないの?

俺が赤ずきんの夢を見たわけじゃない 泣き虫の方がいい? その方が闘いやすい? 泣いた方がいい? お好み通りに 闘ったら悪い狼が現れる? 強すぎる欲望は闘いに不利よ 性交もね ペニスと毛皮の狼になって 狼があなたなら怖くない 痛い! 私が愛の力をすべてあなた一人に注げばあなたを壊せる あなたの唇を味わってみたい

タンゴを踊るように無言で闘え 君はしゃべりすぎる

口は話す器官じゃない 熱くて息をして噛みついて 筋肉ね

明日17時に?

ここで休憩? 明日17時に

 

闘いが楽しいんで戻ってきたわ

先が分からないから興奮するんだ

寝る前の練習にもなる

俺を相手に闘ってくれ 父親じゃなく 相手は俺だ

まったく同感だわ

俺を相手に闘えるかな 自己愛の問題も未解決だぞ ハイフン付きの

そう 私たち二人とも護衛も家族もなく父親も兄も姉もない独りぼっち 家族を持ち出したのはあなたよ

使うと便利だからさ 家族は君がそれほど

立ち向かわない?

重荷に思わないから 俺は立ち向かったがね

役立ったとは思えないわ 休暇で仲良くなった少女に会えなくなったら寂しいか 別に もし彼女と闘えたらあなたは興奮する? 全部私の演技だったら?

ただの推論だ 俺には人をいじめる才能はない

“いじめる”? それこそ空想かも いじめなら得意よ

またおしゃべりか 独りで闘うんだろ?

可愛い少女の霊が見てるかも

それには答えた

いいえ 後悔してるか知りたいの

答えないのもあなたの勝手よね 私はあなたと闘いに来たの まず合図を

合図?

ええ “始め!”とか そういうのよ “構え!”とか

“構え”?

儀式だもの ルールが必要よ

殴り合うんだぜ

怖い?

君を傷つけたらと

批評は構わない “アバズレ”とか“卑劣漢”程度は大丈夫よ “いいぞ!”“ブラボー!”“上手い!”は有効な技が決まったときに それ以外は無言で 終わりは私が決める “ストップ”で終了

危険を感じても“ストップ”と言えよ

構え! キスが素敵でも闘いはやめない 言い換えるわ 唇の感触は柔らかいけど闘いはやめない 牙むいてかかってきて

分かった 本気の闘いだな 胸を舐めてイカせてやる

胸は舐めちゃダメ

それじゃ本気じゃない

脅さないで

全部OKに

あそこを舐めて欲しいの やってくれる? 最初の男よりよくして欲しいの 期待していいわね?

よし 競争しよう

自信たっぷりね

そうじゃない 勝ったことはないが最初から負けたくない

言っておくけど最高のセックスを知った女は相手に厳しくなるの 情け容赦なくね 終わっても15分はずっとイッてる 最高でしょ 動きをやめて抜き出してまた元気になる 水面で跳ねた魚みたいに また終わってもまた元気に もう1回 もう1回…

最初の男は?

愛してなかったの

元気が足りなくて?

必要だけど不十分で

君の本当の望みは?

また恍惚となること もう1回… 完璧なアバズレ それが私よ

またおしゃべり…

セックスして

ダメだったら?

セックスして

俺はセックスの初心者だった 本当はもっと深いものなんだ 君の尻とあそこ 二人の歯と舌は最後の自由と進歩だ 俺は期待の姦淫者 名高い性交者だ 過去の女たちを忘れたよ 恥ずかしくないか?

いいえ 続けながら聞いて 私の体が倒れ込んでも構わずにファックして 横になろうとしても無理にでも私を立たせお尻を掴んで続けて 完全に動かなくなるまで続けて 言う通りにして あなたが入ってくる ゆっくりと 力ずくでなく なるがままに それだけに集中する あなたが入ってくる 私が開いていく ゆっくり 感じるわ すばらしい肉体が私の奥深くに その瞬間すべてが一体になる あなたも私もなく 何も怖くない

 

お悩み相談員よ 元気?

そっちは?

あら 本気だったのね

私の関心はセックスだけ

今頃分かったの?

彼とのセックス

話して

いいわ 言わば“情熱”ね 私は普通の人よりセックスが好きでいつもは大勢の人とする 量が必要だったの 問題があったのは認める でも今は彼だけ 彼だけでいい 彼が存在しなけば私も存在しない もう他の男は必要ない どうしたらいい? 閉じこもる? 外に出たときどうする? 彼とずっとしていたい でも落ち着ける人じゃない 私より気にするタイプ 神経質なの 問題なのは彼の狼のような目 生きた心地がしない 今日は私も行かないし彼も来ない 病気になりそう

休みも必要よ

彼は来ないわ もう会えないかも

会いに行けば?

そうよね あんたを信用してるわ

彼もね

どうする?

彼に触りたい 顔が見たい 疲れるわ 彼は疲れる 特にいないときは

 

入らないのか?

入りたくない

なぜ?

いつまで私を待たせる気?

別れたばかりだ

朝9時に 寂しかった?

中に入らないか?

分かってない

なぜ入らない?

そうじゃないの 自由になりたいの

自由に?

もう1回闘えたら あなたをメチャクチャにして息の根を止めるのに

おいで 俺をメチャクチャにしろ

愛してる もう1回! もう1回!

 

『ラブバトル』