ハッピーエンド

フランケンシュタインは今でも傑作だ
気の毒な怪物ですね
主演のカーロフに子供たちから手紙が来た 怪物に同情したんだ
フランケンは死人を改造して作り上げた殺人者だ つまりこの怪物のかもし出す雰囲気が死に関する記憶と結びついているんだ 究極の怪物だよ

最後のクレジットの後ろに映る写真は主人公ベンの死体です ただの肉の塊のようにぞんざいに扱われる 観客が見守ってきた人物が冷酷な扱いを受けるのです 死体を運ぶのにもフックを使い決して体に直接触れようとしません

「共産主義者の謀略のように若者のモラルを破壊する監督だ」と非難された 我々もひどいことをやった 「ミライの大虐殺」はいい例だと思う
我々は住民を一ヵ所に集めました そして 上官に「殺せ」と命じられたんです

ヒッチコックの映画は高度なサスペンス 名職人の技を駆使して作り上げた作品だ 映像を巧みに操り観客を意のままに導くというものだ 観客は安心して怖がって見ていられる でもそうじゃない作品もある 映画を見てる時映画の作り手を信頼できない 「おい 待ってくれ!」 「何だこりゃ!」とね 「この監督は変人だ!」

女性を家畜のように殺そうとするんです
いつまでもやってる

肉体と社会は密接に結びついている 私は肉体への回帰を重視する 現代社会は肉体からの解放ばかりが求められる 精神と身体を切り離し肉体を無視しようとしている 現実の中心に肉体を置かない考えだが それは間違いだ 表面的には悲劇らしく見える しかし 心の底では観客も寄生虫により「解放」された人々の味方だ そこがミソで実はハッピーエンドなんだ
監督は鋭い洞察力を持って訴えてます 古い秩序が新しい秩序に変わってもどちらも同じくらい問題を抱えていると 簡単に問題を解決する方法などないのです 観客に考えさせたいのは社会生活には「苦痛」がつきものだということでしょう 観客はじっくり見ることができます「苦痛」と「解放」が入り混じった表情を 「苦痛」と「解放」は表裏一体なのです


『アメリカン・ナイトメア』